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インサイダー取引規制その9(会社関係者等)

インサイダー取引規制は、会社関係者等のインサイダー取引規制と、公開買付者等関係者のインサイダー取引規制にわかれます。まず会社関係者等のインサイダー取引規制の要件から解説します。

7.会社関係者等インサイダー取引規制の要件その1 会社関係者等

会社関係者等のインサイダー取引規制の対象者は、
(1)会社関係者
(2)元会社関係者
(3)情報受領者

の3つに分かれます。これらの者が、その属性に応じて、未公表の重要事実を、その職務に関し知ったとき等にインサイダー取引規制の対象となります。

(1)会社関係者(166条1項前段)

会社関係者は、重要事実を、その者の属性に応じて、その者の職務に関し知ったとき等に、インサイダー取引規制の対象となります。

会社関係者は、上場会社等の
(A)役員等【職務に関し知ったとき】
(B)会計帳簿閲覧等請求権を有する株主【権利行使に関し知ったとき】
(C)法令に基づく権限を有する者【権限行使に関し知ったとき】
(D)契約締結者・契約締結交渉中の者【契約の締結・交渉・履行に関し知ったとき】
(E)(B)または(D)と同一法人の他の役職員【職務に関し知ったとき】

の5つに分かれます(166条1項1号から5号)

(A)役員等【その者の職務に関し知ったとき】(166条1項1号)

役員等とは、当該上場会社等(親会社及び子会社を含む)の
(a)役員(会計参与が法人であるときは、その社員)
(b)代理人
(c)使用人その他の従業者

を3つに分かれます。

(a)役員
金商法21条1項2号は役員を取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者と定義していますが、163条から167条は定義が適用される規定から除かれており、他に定義は設けられていませんので、役員の意義は解釈に委ねられていることになります。定義規定が設けられていないのは、この用語が使用される条文では多種多様な法人が対象となるからとされています(注1)。

この点については、株式会社では、取締役、会計参与、監査役、執行役(法令上の言わば正式な役員)がこれに該当し、執行役員、顧問、相談役などの事実上役員的な地位にあるものはこれに含まれないと解されています。ただし、執行役員、顧問、相談役などは「使用人その他の従業者」に該当すると考えられますので、いずれにせよ会社関係者等に該当することになります。

(注1)服部秀一「インサイダー取引規制のすべて」(商事法務)2001年24〜25頁

(b)代理人
民法99条1項は、代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる、と定めています。したがって、代理人とは、本人のためにすることを示して意思表示をなし、その効果を本人に対して生じさせる権限を有する者ということになります。本人から権限を付与された任意代理人と、法律上権限を付与されている法定代理人があります。インサイダー取引規制の対象となるのは、上場会社等の代理人ですので、上場会社等(親会社及び子会社を含む)の業務に関する代理権を付与された者となり、支配人(会社法10条、商法21条)や契約交渉などの代理人などが含まれることになります。

(c)使用人その他の従業者
使用人その他の従業者は、実際に会社の業務に従事するものであれば足り、雇用契約等の契約の有無や名称などは問わず、該当しうると解されています。また、業務に従事するのが継続的であるか一時的であるかも問いません。したがって、通常の従業員のほか、出向社員、アルバイト、派遣社員、事実上その会社の業務を手伝っていた者なども含まれることになります。出向社員については、出向先については、使用人その他の従業者(1号)、または、出向に関する契約を出向先と締結している出向元(契約締結者)の役員等(4号)として会社関係者に該当しうることになる(この点は派遣社員も同様です)と同時に、出向元との関係でも使用人その他の従業者として会社関係者に該当しうることになります。

(d)職務に関し知ったとき
その者の職務に関し知ったときの意義については諸説ありますが、職務行為自体により知った場合のほか、職務と密接に関連する行為により知った場合を含むとする見解が有力です(注2)。
そのほかには、職務行為自体により知った場合のほか、職務と密接に関連する行為により知った場合を含むが、その者の職務が当該重要事実を知りうるようなものでなければならないとする見解(注3)、有価証券の投資判断に影響を及ぼすべき特別な情報に自ら関与し、または接近しうる特別な立場にある者が、その特別な立場ゆえに重要な情報を知ったときとする見解(注4)、その職務の実行に関して知る必要のあるまたは知る立場にある情報を知った場合とする見解(注5)、などがあります。

職務は、その者の地位に応じて取り扱うべきすべての職務を含み、現に担当している職務に限られません。また、職務に関し知った場合であれば、重要事実を知った方法は問いません。上記の見解のいずれを採用するのかについては、判例上決着がついているわけではありませんが、インサイダー取引防止の観点から広く解しておくのが妥当と思われます。

(注2)横畠裕介「逐条解説インサイダー取引規制と罰則」(商事法務研究会)1989年36頁ほか
(注3)東京弁護士会会社法部会編「インサイダー取引規制ガイドライン」商事法務研究会1989年25頁
(注4)服部秀一「インサイダー取引のすべて」(商事法務研究会)2001年32頁
(注5)野村證券編「事例インサイダー取引〔新版〕」(金融財政事情研究会)1990年130頁

URLhttp://igi.jp/text.html(金融商品取引法情報)

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インサイダー取引規制その8(課徴金)

6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金(続きその2)

(3)インサイダー取引規制違反の課徴金事例

証券取引等監視委員会事務局は、平成20年6月に「金融商品取引法における課徴金事例集」を公表していますが、事例集に掲載されているもののうち、23事例、39件がインサイダー取引規制違反に関するものです。

その後、平成19事務年度にさらに1事例、1件、平成20事務年度に6事例、6件のインサイダー取引規制違反による課徴金納付命令が出されています。また、平成20年2月10日に証券取引等監視委員会により、「アルテック株式会社子会社社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」が公表されていますので、これを含めれば平成20事務年度は、現在までに7事例、7件となります。合計すると、これまでに31事例、47件のインサイダー取引規制違反による課徴金事例があることになります。

金融庁(証券取引等監視委員会)の公表情報*冒頭の番号はいずれも金融庁のサイトに記載された番号です。
平成17事務年度(5事例、9件)
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05/past/17.html
1 (株)ガーラの株券に係る内部者取引 18.2.8
2 (株)ガーラの株券に係る内部者取引 18.2.8
3 (株)ガーラの株券に係る内部者取引 18.2.8
4 利根地下技術(株)の株券に係る内部者取引 18.2.15
5 フジプレアム(株)の株券に係る内部者取引 18.5.9
6 フジプレアム(株)の株券に係る内部者取引 18.5.9
7 (株)アイネスの株券に係る内部者取引 18.5.26
8 日本プラスト(株)の株券に係る内部者取引 18.6.9
9 日本プラスト(株)の株券に係る内部者取引 18.6.9

平成18事務年度(7事例、9件)
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05/past/18.html
1(株)パオの株券に係る内部者取引 18.10.2
3 (株)アロカの株券に係る内部者取引 18.12.25
4 (株)アロカの株券に係る内部者取引 18.12.25
5 (株)アロカの株券に係る内部者取引 18.12.25
8 ジャパン建材(株)の株券に係る内部者取引 19.2.26
9 (株)小松製作所の株券に係る内部者取引 19.3.30
11 (株)大塚家具の株券に係る内部者取引 19.5.29
12 ダイヤモンドリース(株)の株券に係る内部者取引 19.6.29
13 ユーエフジェイセントラルリース(株)の株券に係る内部者取引 19.6.29

平成19事務年度(12事例、21件)
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/19.html
2 (株)倉元製作所の株券に係る内部者取引 19.7.13
4 泉州電業(株)の株券に係る内部者取引 19.11.8
5 泉州電業(株)の株券に係る内部者取引 19.11.8
6 カッパ・クリエイト(株)の株券に係る内部者取引 19.11.15
8 (株)ベルックスの株券に係る内部者取引 20.1.11
9 (株)WDIの株券に係る内部者取引 20.1.11
12 (株)サンシティの株券に係る内部者取引 20.2.6
13 テクノエイト(株)ほか9社の株券に係る内部者取引 20.2.14
14 (株)天辻鋼球製作所ほか2社の株券に係る内部者取引 20.2.14
16 カッパ・クリエイト(株)ほか1社の株券に係る内部者取引 20.3.19
17 カッパ・クリエイト(株)の株券に係る内部者取引 20.3.19
18 カッパ・クリエイト(株)の株券に係る内部者取引 20.3.19
20 (株)マーベラスエンターテイメントの株券に係る内部者取引 20.4.9
22 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
23 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
24 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
25 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
26 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
27 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
28 (株)セタの株券に係る内部者取引 20.5.16
30 日本電子材料(株)の株券に係る内部者取引 20.5.21

平成20事務年度(平成20年2月19日現在6事例、6件)
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05.html
3 平成20(判)2 (株)サンエー・インターナショナルの株券に係る内部者取引 20.8.22
6 平成20(判)5 (株)ヴァリックほか1社の株券に係る内部者取引 20.11.7
7 平成20(判)6 (株)ヴァリックの株券に係る内部者取引 20.11.7
8 平成20(判)7 (株)メディセオ・パルタックホールディングス元社員による内部者取引 20.11.18
9 平成20(判)10 (株)いい生活社員による内部者取引 20.11.18
14 平成20(判)13 ゴールドマン・サックス証券(株)社員による内部者取引 21.1.20

「アルテック株式会社子会社社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」(証券取引等監視委員会)
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2009/2009/20090210.htm

現時点で事例集に未掲載の各事例の概要は以下のとおりです。
30 日本電子材料(株)の株券に係る内部者取引 20.5.21
http://www.fsa.go.jp/news/19/syouken/20080521-2.html
同社の社員である違反行為者は、同社が平成20年3月期の業績予想を下方修正する事実をその職務に関し知り、この事実が公表される平成19年8月7日以前の同月6日に、株券合計3,400株を総額501万5,000円で売り付けたものである。
違反行為者 社員
重要事実 業績予想の下方修正(決算情報)
課徴金額 94万円

3 平成20(判)2 (株)サンエー・インターナショナルの株券に係る内部者取引 20.8.22
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20080822-1.html
同社の役員である違反行為者は、同社が株式の発行を行うことを決定した事実をその職務に関し知り、この事実が公表される平成18年7月14日より以前の同年4月20日に、株券合計4,800株を総額2,907万1,000円で売り付けたものである。
違反行為者 役員
重要事実 新株発行(決定事実)
課徴金額 1246万円

6 平成20(判)5 (株)ヴァリックほか1社の株券に係る内部者取引 20.11.7
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20081107-6.html
違反行為者は
(1)同社の役員であったが、同社の業務執行を決定する機関が(株)AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、その職務に関し知り、この事実が公表される平成19年11月15日午後3時30分より前の同日に、(株)ヴァリックの株券合計8株を総額93万4000円で買い付け、
(2)(株)ラヴィスと秘密保持契約を締結していた(株)ヴァリックの役員として、同契約を履行していたものであったが、(株)ラヴィスの業務執行を決定する機関が(株)AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、同契約の履行に関し知り、この事実が公表される平成19年11月15日午後3時30分より前の同月14日及び同月15日に、(株)ラヴィスの株券合計12株を総額97万2000円で買い付け
たものである。
違反行為者 役員・契約締結者の役員
重要事実 株式交換(決定事実)
課徴金額 34万円

7 平成20(判)6 (株)ヴァリックの株券に係る内部者取引 20.11.7
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20081107-7.html
同社の社員であった違反行為者は、同社の業務執行を決定する機関が(株)AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、その職務に関し知り、(株)ヴァリックを退職した後、この事実が公表される平成19年11月15日より前の同月2日及び同月7日に、(株)ヴァリックの株券合計2株を総額22万5000円で買い付けたものである。
違反行為者 元社員
重要事実 株式交換(決定事実)
課徴金額 5万円

8 平成20(判)7 (株)メディセオ・パルタックホールディングス元社員による内部者取引 20.11.18
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20081118-4.html
同社の社員であった違反行為者は、同社の他の社員が、同社とクオール(株)が締結した守秘義務契約の履行に関して知った、クオール(株)の業務執行を決定する機関が(株)エーベルを吸収合併することについての決定をした旨の事実を、その職務に関し知り、(株)メディセオ・パルタックホールディングスを退職した後、この事実が公表される平成19年5月25日より前の同月14日から同月23日までの間に、クオール(株)の株券合計102株を買付価額2085万1000円で買い付けたものである。
違反行為者 契約締結者の(他の)元社員
重要事実 合併(決定事実)
課徴金額 118万円

9 平成20(判)10 (株)いい生活社員による内部者取引 20.11.18
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20081118-5.html
同社の社員である違反行為者は
(1)同社が平成19年3月期の業績予想を下方修正する事実をその職務に関し知り、この事実が公表される平成19年1月31日より前の同月11日から同月30日までの間に、株券合計317株を総額6457万6000円で売り付け、
(2)同社が平成20年3月期の業績予想を下方修正する事実をその職務に関し知り、この事実が公表される平成19年10月29日午後5時50分より前の同月12日から同月29日までの間に、株券合計403株を総額3760万6500円で売り付け
たものである。
違反行為者 社員
重要事実 業績予想の下方修正(決算情報)
課徴金額 2079万円

14 平成20(判)13 ゴールドマン・サックス証券(株)社員による内部者取引 21.1.20
http://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20090120-2.html
違反行為者は、 (株)AP8(現(株)レックス・ホールディングス)と公開買付け応募契約の締結の交渉をしていた者から、同人がその契約の締結の交渉に関し知った、同社が(株)レックス・ホールディングス(平成19年9月1日合併により解散)の株券の公開買付けを行うことについての決定をした事実の伝達を受け、この事実が公表される平成18年11月11日より前の同月8日に、株券17株を総額363万8000円で買い付けたものである。
違反行為者 公開買付者と契約締結の交渉をしていた者からの第一次情報受領者
重要事実 公開買付けの実施
課徴金額 23万円

平成20年2月10日「アルテック株式会社子会社社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」(証券取引等監視委員会)
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2009/2009/20090210.htm
課徴金納付命令対象者は、同社の子会社社員であったが、アルテック株式会社が平成19年11月期の連結業績予想を上方修正する事実を、その職務に関し知り、この事実が公表される平成20年1月21日午後11時4分より以前の同月9日から同月21日までの間に、アルテック株式会社の株券合計1万4,900株を総額368万1,400円で買い付けたものである。
違反行為者 子会社社員
重要事実 連結業績予想の上方修正(決算情報)
課徴金額 55万円

URLhttp://igi.jp/counsel.html

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インサイダー取引規制その7(課徴金)

6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金(続き)

(2)課徴金の額の算出方法

課徴金の額は、違反類型ごとに一般的・抽象的に想定される経済的利益相当額として法定された算出方法に従い算出されます。違反者が実際に得た利益額そのものがいくらであるのかにかかわらず、法定された算出方法に従って課徴金の額が算出されることになります。したがって、行政庁の裁量の余地はなく、また、違反者が得た経済的利益を大きく上回るような制裁金的な課徴金が課せられることもありません。

インサイダー取引違反の場合には、以下の各場合に応じて課徴金の額が算出されます。平成20年の金商法改正により、従来の公表日翌日の終値を基準として課徴金の額を算出されていた点が、公表後2週間以内の最安値ないし最高値を基準に算出するものと変更されています。また、複数の違反がある場合(複数の場合に該当するとき)は、その合計額が課徴金の額となります。

(A)166条違反の場合(175条1項)

(a)重要事実の公表がされた日以前6月以内に売付け等を行っている場合(株価下落につながるネガティブ情報の場合を想定)
(売却金額−重要事実公表後2週間以内の最安値)×売却株数

(b)重要事実の公表がされた日以前6月以内に買付け等を行っている場合(株価上昇につながるポジティブ情報の場合を想定)
(重要事実公表後2週間以内の最高値−購入金額)×購入株数

(c)金融商品取引業者等が顧客の計算において売買等をした場合
当該売買等に係る手数料、報酬その他の対価の額として内閣府令で定める額

(B)167条違反の場合(175条2項)

(a)公開買付け等の実施または中止に関する重要事実の公表がされた日以前6月以内に売付け等を行っている場合(株価下落につながる公開買付け等の中止に関する情報の場合を想定)
(売却金額−重要事実公表後2週間以内の最安値)×売却株数

(b)公開買付け等の実施または中止に関する重要事実の公表がされた日以前6月以内に買付け等を行っている場合(株価上昇につながる公開買付け等の実施に関する情報の場合を想定)
(重要事実公表後2週間以内の最高値−購入金額)×購入株数

(c)金融商品取引業者等が顧客の計算において売買等をした場合
当該買付け等又は売付け等に係る手数料、報酬その他の対価の額として内閣府令で定める額

金融商品取引業者等が顧客の計算において売買等をした場合の手数料、報酬その他の対価の額として内閣府令で定める額は、平成20年の金商法改正で追加されたものです。このような場合、本来行ってはならない違反行為を通じて手数料等を得たものと考えられるため、それに相当する額の課徴金を課すとしたものです。課徴金府令は、投資運用業とそれ以外の場合を分けて、手数料等の額を定めています。

なお、「有価証券の売付け等」、「有価証券の買付け等」、最安値、最高値については、それぞれ定義規定が設けられています(175条3項ないし8項)。

URLhttp://igi.jp/service.html

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インサイダー取引規制その6(課徴金)

6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金

課徴金制度は、
証券市場への信頼を害する違法行為又は公認会計士・監査法人による虚偽証明)に対して、行政として適切な対応を行う観点から、規制の実効性確保のための新たな手段として、平成17年4月(公認会計士法については20年4月)から、行政上の措置として違反者に対して金銭的負担を課す
(http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/02.html)

ものとして導入されました。

金融商品取引法上の課徴金制度については、別エントリー(注1)で解説していますが、ここではインサイダー取引規制違反の場合に限定して解説します。課徴金納付命令に関する手続き等については、課徴金制度のエントリーをご参照下さい。

(注1)http://blog.igi.jp/?cid=35940

(1)インサイダー取引規制違反の課徴金制度

インサイダー取引規制違反の課徴金納付命令は、会社関係者等のインサイダー取引規制(金商法166条1項もしくは3項)または公開買付関係者等のインサイダー取引規制(金商法167条1項もしくは3項)の規定に違反して、自己の計算で有価証券の売買等をした者に対して行われます。

原則として自己の計算で売買等を行った者が課徴金の対象となりますが、自己の計算か否かは、名義ではなく実質的に判断されるので、他人名義を借用して取引を行った者や、他人の行為を支配しており実質的にその者の行為と認められる場合には、自己の計算で売買等を行った者として、その者が課徴金の対象とされる可能性があります。他方、自己の計算で売買等を行った者の他に、教唆者等がいた場合には、教唆者等は課徴金の対象とはならないことになります。

ただし、平成20年の金商法改正により、違反者が、自己と密接・特殊な関係にある者(密接・特殊関係者)の計算において違反行為をした場合には、自己の計算において違反行為をしたものとみなして、その者に対して課徴金が課せられることになっています。密接・特殊関係者の範囲は
(1)違反者がその総株主等の議決権の過半数を保有している会社その他の当該者と密接な関係を有する者として内閣府令で定める者【密接関係者】
(2)違反者と生計を一にする者その他の当該売買等をした者と特殊の関係にある者として内閣府令で定める者【特殊関係者】

です(金商法175条10項・11項)が、詳細は金融商品取引法第6章の2の規定による課徴金に関する内閣府令(課徴金府令)1条の23に規定されています。
【密接・特殊関係者】
(1)密接関係者
(A)違反者の親会社
(B)違反者の子会社
(C)違反者と同一の親会社をもつ会社等
(D)違反者(個人に限る)の同族会社(法人税法第2条第10号に規定する同族会社をいい、違反者が支配していないことが明らかであると認められる会社を除く)
(2)特殊関係者
(A)違反者(個人に限る)の親族
(B)違反者(個人に限る)と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
(C)違反者の役員等
(D)(A)から(C)以外の者で違反者(個人に限る)から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
(E)(B)から(D)に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

また、役員等が、166条1項または3項に違反して、上場会社等の計算において違反行為を行った場合には、当該上場会社等に対して課徴金が課せられることになります(175条9項)。

(追記)

上場会社等の計算において違反行為を行った場合というのは、自社株買いの場合であり、コマツ及び大塚家具に対する各課徴金納付命令の事例を受けて「うっかりインサイダー」として問題となった事例です。報道されているところによれば、小松製作所の執行役員は、当該子会社の解散が重要事実に該当しないと思い込んでいたとのことであり、また、大塚家具は、取締役会の決議があってはじめて重要事実となると考えていたようですが、インサイダー取引規制違反の成立要件としては、ある事実が重要事実に該当することを認識している必要はなく、また、公表された予想値と新たに算出された予想との間に一定の差が生じたことが重要事実であり、予想値の修正が重要事実に該当するためには必ずしも取締役会の決議は必要ではありません。いずれも、重要事実を知りつつも、それを利用して利益を得る目的もなく、また、インサイダー取引として違法な行為に該当することも知らずに、自社株買いを行ったものであったため「うっかりインサイダー」となって課徴金納付命令を受けた事例です。検察官が起訴するか否かの裁量を有する(刑事訴訟法248条)刑事罰の場合と異なり、前述のとおり、課徴金制度においては、行政庁には課徴金を課すか否かの裁量は認められないため、課徴金が課せられています。「うっかりインサイダー」を防止するには、インサイダー取引規制について正しく理解するよりほかないですが、特に自社株買いを行う場合には、常にインサイダー取引となるリスクがあるため、未公表の重要事実がないことを慎重に確認した上で行う必要があります。
コマツに対する課徴金納付命令の概要
http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070330-7.html
同社の執行役員は、同社の子会社のオランダコマツファイナンス(有)が解散を行うことについての決定した事実を、その職務に関して知り、当該事実が公表される平成17年7月13日以前の同月4日から同月13日の間に、(株)小松製作所の計算において、株券131万6000株を11億7746万1000円で買い付けたものである。
違反行為者 同社
重要事実 子会社の解散(子会社の決定事実)
課徴金額 4378万円

大塚家具に対する課徴金納付命令の概要
http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070529-1.html
同社の役員は、同社が配当予想値の修正を行う事実をその職務に関し知り、当該事実が公表される平成18年2月23日以前の同月10日から同月22日の間に、(株)大塚家具の計算において、株券7万9000株を3億3295万5000円で買い付けたものである。
違反行為者 同社
重要事実 配当予想値の修正(決算情報)
課徴金額 3044万円

URLhttp://igi.jp/text.html

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2009年の新規上場その2

以下の2社の上場が承認されています。今年のIPOはこれで5件になります。

3月18日 大幸薬品(株)(JASDAQ)(主幹事野村證券)(医薬品)
3月17日 (株)JCLバイオアッセイ(ヘラクレス) (主幹事野村證券)(サービス業)
以上いずれも東京IPOより

URLhttp://igi.jp/counsel.html

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インサイダー取引規制その5(民事責任)

5.インサイダー取引規制違反の効果その4 民事責任(続き)

(C)上場会社等に対する責任

上場会社等に対する責任については、役員、従業員、従業員、代理人、契約締結者、株主、法令に基づく権限を有する者、情報受領者など、行為者の属性に応じて考える必要があります。

まず、取締役その他の役員は、会社に対して善管注意義務・忠実義務(会社法330条、民法644条、会社法355条)を負っていますが、インサイダー取引それ自体が直接会社に損害を与えるわけではないので、直ちに善管注意義務・忠実義務違反による責任(会社法423条1項)を負うものではないと考えられます。ただし、役員が会社の業務または財産に関してインサイダー取引を行ったことによりかいやに罰金が科されたような場合には、会社に損害賠償責任を負う場合もあると思われます(注1)。また、役員のインサイダー取引違反により会社の信用が毀損され会社に損害が生じたような場合も、善管注意義務・忠実義務違反により、会社に損害賠償責任を負う場合があると思われます。

次に、従業員や代理人の場合は、契約(雇用契約、委任契約等)に基づく善管注意義務を負っていますので、基本的に役員と同様に解することができると考えられます。

また、契約締結者については、会社との契約における定めに従うことになると思われます。特別の定めがあればそれに従い、善管注意義務を負う関係にある場合には役員と同様に解することになり、それ以外の場合には上場会社等に対し責任を負うものではないと考えられます。契約締結交渉者、株主、法令に基づく権限を有する者、情報受領者については、直接の契約関係等がなく、上場会社に対して責任を負うものではないと考えられます。ただし、これらの者についても、その者のインサイダー取引違反により会社の信用が毀損され会社に損害が生じたような場合には、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことはありうると思われます。

(2)上場会社等の責任

上場会社等が重要事実等の公表を遅滞しまたは怠ったために、インサイダー取引が行われた場合には、公表の遅滞ないし懈怠により損害を与えたものとして、上場会社等が(インサイダー取引を行った者以外の)他の投資家に対して、不法行為に基づく損害賠償責任を負うかが問題となりますが、この場合、不法行為が成立するためには、上場会社等による重要事実等の公表の遅滞ないし懈怠が違法である必要があります。

公表の遅滞ないし懈怠については、適時開示の問題として考えると、適時開示は、証券取引所の規則等に基づいて行われているものであるため、それをもって直ちに違法と考えるのは困難と思われます。ただし、会社情報開示の責任者である代表取締役社長の保有株式を売り抜けさせるために、取締役が金員でデフォルト情報の開示を故意に遅延させていたような場合は、遅延の間に当該会社の有価証券を買い付けた者の会社に対する損害賠償を認めてもよいとされています(服部秀一「インサイダー取引のすべて」(商事法務研究会)2001年316頁)。このように悪質性が強い場合には、違法と評価され、上場会社等が不法行為に基づく損害賠償責任を負う場合もあると思われます。

他方、公表の遅滞ないし懈怠について、上場会社等の有価証券報告書、有価証券届出書等の法定開示書類の虚偽記載等が認められるような場合には、虚偽記載等に基づく損害賠償責任を負うことになります。

(3)役員の欠格事由・従業員等の社内処分

インサイダー取引規制違反の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日(執行猶予が付されている場合は執行猶予期間が満了したとき)から2年を経過しない者は、会社の取締役、監査役、執行役になることができません(会社法331条1項3号、335条1項、402条4項)。したがって、インサイダー取引規制違反の罪で有罪判決を言い渡された会社の取締役、監査役、執行役は、その地位を失うことになります。

また、取締役、監査役、執行役、従業員等は、会社の社内規定に基づく処分を受けることになります。

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インサイダー取引規制その4(民事責任)

5.インサイダー取引規制違反の効果その4 民事責任

インサイダー取引規制違反の民事責任については、金融商品取引法上、特別の規定は設けられていません。インサイダー取引規制導入時の証券取引審議会の「内部者取引の規制のあり方について」(昭和63年2月24日)で、インサイダー取引を行った者の相手方に対する損害賠償について実効性を持ちうる措置を講ずるべきであるが、取引所取引については、原告適格、訴訟手続等について慎重な検討が必要であり、中長期的な課題とされていますが、20年余りを経過した現在までのところ、特別な規定は設けられていません。したがって、民法等の一般法に基づく責任を負うか否かを検討することになります。

(1)インサイダー取引規制違反を行った者の責任

インサイダー取引を行った会社関係者等の民事責任としては、取引の相手方(他の投資家)に対する責任と、インサイダー取引の対象となった株券等の発行会社である上場会社等に対する責任が考えられます。取引の相手方(他の投資家)に対する責任については、取引所取引(市場取引)と相対取引を分けて考える必要があります。

(A)取引所取引(市場取引)

まず、取引の相手方(他の投資家)に対する責任については、まず、取引所取引(市場取引)によってインサイダー取引が行われた場合には、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)ないし不当利得返還請求(民法703条〜)を検討することになりますが、この場合そもそも相手方を特定することが非常に困難です。この点について、東京地判平成3年10月29日(金融法務事情1321号23頁)は、不法行為の成立要件である因果関係について、
証券取引所における株式取引では、個々の顧客の委託注文は、証券会社を通じて証券取引所に集約され、値段及び時間を基準にして集計された売り注文と買い注文が集団的に結び付けられて注文が成立する。したがって、この場合、被告の株式売却と原告の株式買受けとの間に売買が成立したというためには、まず、集団競争売買の中で、被告の売り注文と原告の買い注文とが、現実に結び付けられたことが、原告によって主張立証されなければならない。

としていますが、かかる立証はきわめて困難です。

また、仮に因果関係が認められる場合であっても、インサイダー取引を行った者が相手方に自分が未公表の重要事実を知っていることを告知しないで取引しなかったことが違法である必要があり、さらに、損害についても、株券等の価格はその時々の各種事情により変化しており、インサイダー取引による損害を立証することも簡単なことではありません。

不当利得返還請求については、同様に相手方の特定(因果関係)の問題があるほか、法律上の原因についても、インサイダー取引は売買等の原因に基づいてなされるものであるため、通常は法律上の原因が認められるものと考えられます。

したがって、インサイダー取引を行った会社関係者等に対し、取引の相手方(他の投資家)が損害賠償等を請求することには非常に困難が伴うことになりますが、そのために前述の証券取引審議会の「内部者取引の規制のあり方について」(昭和63年2月24日)は、実効性を持ちうる措置を講ずるべきであるとしたものと考えられます。

(B)相対取引

次に、相対取引の場合には、相手方の特定という問題は当然ありません。この場合、債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)、不法行為に基づく損害賠償請求ないし不当利得返還請求を行うことが考えられますが、インサイダー取引を行った者に、信義則上、相手方に自分が未公表の重要事実を知っていることを告知する義務を負う場合には、義務違反(債務不履行)が認められ、あるいは、告知を行ったことにより違法となり、債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償請求が認められうると考えられます。

かかる告知義務が認められる場合としては、例えば、売主が上場企業等の契約締結者である証券会社である場合に、未公表の重要事実等を知りながら、一般の個人投資家に売却したケースが挙げられています(服部秀一「インサイダー取引のすべて」(商事法務研究会)2001年314頁(注2))。

また、不当利得返還請求については、法律上の原因の有無が問題となりますが、インサイダー取引違反の取引も当然には無効とならないものの、反社会性が強く公序良俗違反の場合には取引は無効になるので、法律上の原因がなく、相手方は不当利得返還請求もできるものとされています(上記服部316頁(注6))。

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金融商品取引法上の課徴金制度その1

1.課徴金制度の概要

金融商品取引法上の課徴金制度は、
証券市場への信頼を害する違法行為(略)に対して、行政として適切な対応を行う観点から、規制の実効性確保のための新たな手段として、平成17年4月(略)から、行政上の措置として違反者に対して金銭的負担を課す(金融庁:課徴金制度について(注1))

ものとして平成17年4月から導入されています。

課徴金の対象となるのは、インサイダー取引、一定の相場操縦、風説の流布又は偽計などの一定の不公正取引と、有価証券届出書、有価証券報告書、公開買付開始公告、公開買付届出書、大量保有報告書等の不提出・不実施、虚偽記載等で、違反があった場合には、各類型毎に規定された課徴金が課せられることになります。

平成20年の金融商品取引法の一部改正により、平成20年12月12日から、課徴金の対象範囲の見直し、課徴金の金額水準の引き上げ、再度の違反による課徴金の加算、自主申告による課徴金(半額)減算制度の導入、除斥期間の延長などの改正がなされています。以下では、自主申告による課徴金減額制度について、まず説明します。

課徴金制度についての、金融庁のサイトは以下のとおりです。

課徴金制度について
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/02.html
課徴金関係法令・訓令
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/03.html
平成20事務年度課徴金納付命令等一覧
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05.html
平成19事務年度課徴金納付命令等一覧
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/19.html
18事務年度課徴金納付命令等一覧
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05/past/18.html
17事務年度課徴金納付命令等一覧
http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/05/past/17.html

(注1)http://www.fsa.go.jp/policy/kachoukin/02.html

2.課徴金減算制度

課徴金の減算制度は、課徴金の対象となる違反行為のうち、一定の類型の違反行為に限って、当局による検査等が開始される前に、証券取引等監視委員会に対し違反事実に関する報告を行った場合には、直近の違反事実に係る課徴金の額を半額に減額するというもので(金商法185条の7第12項)、平成20年12月12日施行の改正金融商品取引法の施行により導入されました。減額制度の対象となるのは、以下の6つの場合(のみ)です。

(1) 発行開示書類等の虚偽記載等
(2) 継続開示書類等の虚偽記載等
(3) 大量保有報告書・変更報告書の不提出
(4) 特定証券等情報の虚偽等
(5) 発行者等情報の虚偽等
(6) 法人による自己株式の取得に係る内部者取引

3.課徴金の減額を受けるための報告手続

課徴金の減額を受けるためには、減額制度の対象となる事実を内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に報告しなければなりません(金商法185条の7第12項)。その報告手続については、「金融商品取引法第6章の2の規定による課徴金に関する内閣府令」67条の7第1項により規定されていますが、証券取引等監視委員会は「金融商品取引法第185条の7第12項の規定による課徴金の減額に係る報告の手続について」(注2)で手続の詳細を公表しています。

(注2)http://www.fsa.go.jp/sesc/kachoukin/tetuduki.htm

課徴金の減額を受けるためには、所定の様式による「課徴金の減額に係る報告書」(減額報告書)を提出する必要がありますが、その提出方法は、以下の3つのいずれかとなります。詳細は、上記の証券取引等監視委員会のページの「4.減額報告書の提出について」でご確認下さい(減額報告書の様式もダウンロード可能です(注2))。なお、減額報告書は、金融庁、財務局においては受理されず、必ず「証券取引等監視委員会事務局 課徴金・開示検査課」に提出する必要があります。

(1)直接持参する方法
(2)書留郵便等による方法(注3)
(3)ファクシミリによる場合(注4)

(注3)普通郵便により提出された減額報告書は受理されないので、ご注意ください。
(注4)証券取引等監視委員会指定の番号に送付する必要があり、他の番号に送信されたものは受理されないので、ご注意ください。ファクシミリ送信の場合は、受理の連絡を受けた後に、送信した書類の原本を郵送する必要があります。

減額報告書の記載事項は、以下の(A)〜(D)で、様式上の記載上の注意は、以下のとおりです。

(A)氏名・連絡先等
(1) 報告書の提出者本人の氏名又は名称及び住所又は所在地を記載した上、押印すること。
(2) 法人の場合には、法人の商号又は名称、本店又は主たる営業所若しくは事務所の所在地並びに代表者の役職名及び氏名を記載した上、代表者印を押印すること。この場合においては、併せて担当責任者の氏名、役職名、連絡場所及び電話番号を記載すること。
(3) 代理人が提出する場合には、上記(1)及び(2)に加えて、代理人による報告である旨及び代理人の氏名を記載した上、本人の押印に代えて代理人が押印すること。この場合においては、併せて委任状を添付すること。

(B)違反の類型
(1) 「発行開示書類等の虚偽記載等」、「継続開示書類等の虚偽記載等」、「大量保有・変更報告書の不提出」、「特定証券等情報の虚偽等」、「発行者等情報の虚偽等」、「自己株式取得の内部者取引」等、報告に係る違反の類型を具体的に記載すること。
(2) 複数ある場合にはそのすべてを記載すること。

(C)違反の概要
(1) 報告に係る違反の概要を具体的に記載すること。
(2) 例えば、
イ 当該違反が発行開示書類等又は継続開示書類等の虚偽記載等である場合は、当該虚偽記載等に係る発行開示書類等又は継続開示書類等を特定するに足りる事項、当該虚偽記載等の内容
ロ 当該違反が大量保有・変更報告書の不提出である場合は、提出すべき大量保有・変更報告書の提出事由及び当該提出事由が生じた時期、当該大量保有・変更報告書の提出期限
ハ 当該違反が特定証券等情報又は発行者等情報の虚偽等である場合は、当該虚偽等に係る特定証券等情報又は発行者等情報を特定するに足りる事項、当該虚偽等の内容
ニ 当該違反が自己株式取得の内部者取引である場合は、当該取引の方法、数量、価格及び時期、違反に係る業務等に関する重要事実の内容、公表がされた時期
等が分かるように、具体的に記載すること。

(D)その他参考となるべき事項

また、上記の証券取引等監視委員会のページでは、「3.減額報告書の記載要領」について、さらに詳細に記載されています。違反の概要の記載については、証券取引等監視委員会による個別の勧告や金融庁による個別の課徴金納付命令の決定が参考になります。

(注5)「課徴金の減額に係る報告書」様式
Word版: http://www.fsa.go.jp/sesc/kachoukin/tetuduki.doc
PDF版: http://www.fsa.go.jp/sesc/kachoukin/tetuduki.pdf

(関連条文)

金融商品取引法
(課徴金の納付命令の決定等)
第185条の7
(略)
12 内閣総理大臣は、第1項(第178条第1項第2号に掲げる事実のうち第172条の2第1項(同条第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に該当する事実、第178条第1項第4号に掲げる事実のうち第172条の4第1項若しくは第2項に該当する事実、第178条第1項第7号に掲げる事実、同項第10号に掲げる事実のうち第172条の10第1項に該当する事実、第178条第1項第11号に掲げる事実又は同項第16号に掲げる事実のうち第175条第1項(同条第9項において準用する場合を含む。)に該当する事実があると認める場合に限る。以下この項において同じ。)、第6項、第7項又は前2項の決定をしなければならない場合(同号に掲げる事実のうち同条第1項(同条第9項において準用する場合を含む。)に該当する事実があると認める場合にあっては、当該事実に係る第166条第1項に規定する売買等が、第175条第9項に規定する上場会社等による会社法第156条第1項(同法第163条及び第165条第3項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による自己の株式の取得である場合その他これに準ずる場合として内閣府令で定める場合に限る。)において、次の表の第1欄に掲げる者が、同表の第2欄に掲げる規定に該当する事実について同表の第3欄に掲げる処分が行われる前に、当該事実を内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に報告しているときは、同表の第4欄に掲げる額に代えて、当該額に100分の50を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。
(表についてはこちらを参照してください。)

金融商品取引法第6章の2の規定による課徴金に関する内閣府令
(法第172条の2第1項に該当する事実等の報告)
第61条の7 法第185条の7第12項の規定による報告を行おうとする者は、別紙様式による報告書を、次に掲げるいずれかの方法により、証券取引等監視委員会に提出しなければならない。
1.直接持参する方法
2.書留郵便、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号。次項において「信書便法」という。)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便の役務であって当該一般信書便事業者若しくは当該特定信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法により送付する方法
3.ファクシミリを利用して送信する方法
2 前項第2号に掲げる方法により同項に規定する報告書が提出された場合は、その発送の時(当該報告書を郵便事業株式会社の営業所であって郵便窓口業務の委託等に関する法律(昭和24年法律第213号)第2条に規定する郵便窓口業務を行うもの(同法第3条第1項若しくは第3項の規定による委託又は同法第4条の規定による再委託を受けた者の営業所を含む。)に差し出した日時を郵便物の受領証により証明したときはその日時、その郵便物又は信書便法第2条第3項に規定する信書便物(以下この項において「信書便物」という。)の通信日付印により表示された日時が明瞭であるときはその日時、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日時のうち日のみが明瞭であって時刻が明瞭でないときは表示された日の午後12時)に、当該報告書が証券取引等監視委員会に提出されたものとみなす。
3 第1項第3号の方法により同項に規定する報告書が提出された場合は、証券取引等監視委員会が受信した時に、当該報告書が証券取引等監視委員会に提出されたものとみなす。
4 第1項第3号の方法により同項に規定する報告書の提出を行った者は、遅滞なく、当該報告書の原本を証券取引等監視委員会に提出しなければならない。
5 第1項に規定する報告書は、日本語で作成するものとする。
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大量保有報告制度その2

5.大量保有報告制度への課徴金制度の適用開始

大量保有報告制度について課徴金制度を適用する平成20年12月12日施行の改正金融商品取引法により、課徴金制度の適用対象となる大量保有報告書・変更報告書の不提出・虚偽記載は、施行日である平成20年12月12以降に提出期限が到来する大量保有報告書・変更報告書についてのものとなります(金融商品取引法等の一部を改正する法律附則11条・12条)。

(関連条文)
(金融商品取引法等の一部を改正する法律附則)
第11条 新金融商品取引法第172条の7の規定は、施行日以後に提出期限が到来する同条に規定する大量保有・変更報告書について適用する。
 
第12条 新金融商品取引法第172条の8の規定は、施行日以後に提出される同条に規定する大量保有・変更報告書等について適用する。
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大量保有報告制度その1

1.大量保有報告制度の概要

大量保有報告制度は、

(1)上場会社等の株券等を5%超保有する者は、大量保有報告書を提出しなければならない
(2)大量保有報告書提出後、株券等保有割合が1%以上増減した場合その他大量保有報告書の記載事項に重要な変更があった場合には変更報告書を提出しなければならない

という制度です。

大量保有報告制度は、株価に影響を及ぼしやすい上場会社等の株券等の大量保有に関する情報を投資家に対して迅速に提供することにより、市場の公正性、透明性を高め、投資者の保護を図ることを目的として、平成2年に導入されました(比較的近年になって導入された制度であるため、金商法上、第2章の3、27条の23から27条の30までと、章番号も条文番号も「枝」番号つきです)。

2.大量保有報告制度における課徴金制度の開始

従来は大量保有報告書の不提出等には、課徴金制度の適用はありませんでしたが、平成20年12月12日から施行された改正金融商品取引法により、大量保有報告書制度にも課徴金制度が適用されています(注1)。

大量保有報告制度に関して課徴金が課される場合は、以下の場合になります。

(1) 不提出:大量保有報告書又は変更報告書を提出期限までに提出しない場合(金商法172条の7)
(2)虚偽記載: 重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けている
 (A)大量保有報告書
 (B)変更報告書
 (C)大量保有報告書・変更報告書の訂正報告書
を提出した場合(金商法172条の8)

3.課徴金の額

課徴金の額は、大量保有報告対象株券等の発行者が発行する株券等の「時価総額の10万分の1」とされています。保有する株券等の割合・数等に関係なく時価総額の10万分の1となります。金融庁のサイトでは、1兆円の時価総額の企業で課徴金の額は1000万円という例が挙げられていますが(注2)、いまや日本の企業で時価総額1兆円を超えているところはわずか50社弱しかありません…。もう少し刻んでいくと、時価総額1000億円で100万円、時価総額100億円で10万円、時価総額10億円で1万円ということになります。

4.大量保有報告書等の不提出と行政庁の裁量

大量保有報告書・変更報告書の不提出(出し忘れ)は少なくないと言われており、従来は遅れて提出する際に詫び状を添える等して提出してきましたが、今後は、不提出が明らかになった場合には、課徴金が課せられることになります。課徴金制度においては、例えば「大量保有報告書又は変更報告書(略)を提出しない者があるときは、内閣総理大臣は、(略)その者に対し、(略)課徴金を国庫に納付することを命じなければならない」(金商法172条の7)等と規定されており、課徴金を課すか否かにつき行政庁の裁量は認められない(はずな)ので(注3)、期限を過ぎて大量保有報告書・変更報告書を提出した場合には、提出期限までに提出していない以上、課徴金が課せられることになるはずです。自主的に提出した場合には、課徴金減算規定の適用の余地はあるとしても(注4)、例えば期限の翌日に提出したような場合には課徴金を課するのは酷と思われるケースもありそうです。これまでのところ、大量保有報告制度に関する課徴金納付命令は出されていないようですが(注5)、今後どのような運用がなされるのか要注目です。

行政庁の裁量については、今回の課徴金制度改正について議論がなされた金融審議会金融分科会第一部会法制ワーキング・グループの討議資料でも検討の対象とされていますが(注6)、今回の改正では裁量は認められていません。同資料は裁量を認めることについて、積極・消極の両論を併記しており、積極的な見解の根拠として、違反行為に対し、例外なく課徴金の賦課がなされる枠組みの下では、行政の目的と手段が必ずしも比例していない事例も生じるのではないか、という点を挙げています(注7)。消極的な見解の根拠として、裁量を認めると、課徴金を課すか否か、それが裁量の範囲内か否かの判断が必要となり、課徴金制度の迅速性・効率性が阻害されるのではないか、その結果、刑事罰とは別に課徴金制度を設けた趣旨が没却されるのではないか、さらに、裁量の範囲が拡大しすぎると、判断基準が「非難可能性」「責任の重さ」などになり、「刑事罰との二重処罰」とされる可能性が高くなるのではないか、という点を挙げています。

「金融審議会金融分科会第一部会法制ワーキング・グループ報告〜課徴金制度のあり方について〜」法制ワーキング・グループにおける討議資料19頁〜20頁
討議資料3
(課徴金制度等に関するその他の論点)
機_歡Ф眄度等に関するその他の論点
1. 違反行為に対し課徴金を課さない場合を設けることについて
現行、金融商品取引法上の課徴金制度においては、違反行為に対して「内閣総理大臣(金融庁)は課徴金を納付することを命じなければならない」こととされており、課徴金納付命令を発するか否かについて行政庁に裁量がない。
この点、独占禁止法上の課徴金制度についても、同様に、課徴金納付命令を発するか否かについて行政庁に裁量がない。
他方、公認会計士法上の課徴金制度については、違反行為に対して課徴金納付命令を行うことを原則としつつ、一定の場合に課徴金の納付を「命じないことができる」こととされている。

顱飽稟森坩戮紡个掘⇔祿阿覆課徴金の賦課がなされる枠組みの下では、行政の目的と手段が必ずしも比例していない事例も生じるのではないか、との考え方があり得るが、どのように考えるか。

一方、

髻鵬召鵬歡Ф眷蕊嫐仁瓩砲弔い董行政庁の裁量を認めた場合、違反行為の認定に加えて裁量の範囲内の判断が必要となり、制度の迅速性・効率性が阻害されることとならないか、
鵝砲修侶覯漫行政庁の措置として課徴金制度を導入した趣旨・目的が没却されることとならないか、
堯忘枸未糧楼呂あまりに拡大した場合、その範囲内のどの水準を実際に賦課するかの判断基準は、「非難可能性」「責任の重さ」などに求めざるを得なくなり、「刑事罰との二重処罰」とされる可能性が高くなるのではないか、

との考え方もあり得るが、どのように考えるか。

仮に、一定の裁量を認める場合、不正行為の反社会性ないし反道徳性に着目して、これに対する制裁として課徴金を課すものではないことを担保する等の観点から、どういう場合に課徴金を課さないかを明定する必要があると考えられるが、課徴金を課さない場合として具体的にどのような場合が考えられるか。


(注1)http://www.fsa.go.jp/policy/m_con/20081128.html
(注2)https://www.edinet-fsa.go.jp/download/ESE140031.pdf
(注3)「金融審議会金融分科会第一部会法制ワーキング・グループ報告〜課徴金制度のあり方について〜」(http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20071218-1/02.pdf)の法制ワーキング・グループにおける討議資料においても、行政庁の裁量はないものとされています。
(注4)課徴金減算制度については別エントリー参照。
(注5)平成21年2月12日付けで、EDINET(http://www.edinet-fsa.go.jp/)において「シティグループ・グローバル・マーケッツ・リミテッド、シティグループ・グローバル・マーケッツ・インク及びシティグループ・グローバル・マーケッツ・フィナンシャル・プロダクトに係る大量保有報告書・変更報告書について」が適時開示されている旨が告知され、投資家の注意を喚起している事例が注目されます。
(注6)(注2)と同じ資料です。
(注7)いわゆる比例原則に基づくものです。(注2)の討議資料3頁(討議資料1(総論)3(2))に比例原則についての解説があります。

(大量保有報告に関する課徴金についての関連条文)
(金融商品取引法)
(大量保有・変更報告書を提出しない者に対する課徴金納付命令)
第172条の7 第27条の23第1項、第27条の25第1項又は第27条の26第1項、第2項、第4項若しくは第5項の規定に違反して、大量保有報告書又は変更報告書(以下この章において「大量保有・変更報告書」という。)を提出しない者があるときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、その者に対し、第1号に掲げる額に第2号に掲げる数を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
1.当該提出すべき大量保有・変更報告書に係る株券等(第27条の23第1項に規定する株券等をいう。次条において同じ。)の発行者(同項に規定する発行者をいう。以下この条及び次条において同じ。)が発行する株券又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める有価証券の当該提出すべき大量保有・変更報告書の提出期限の翌日における第67条の19又は第130条に規定する最終の価格に、当該翌日における当該発行者の発行済株式の総数又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める数を乗じて得た額(当該価格がないときは、これに相当するものとして内閣府令で定めるところにより算出した額)
2.10万分の1

(虚偽記載のある大量保有・変更報告書等を提出した者に対する課徴金納付命令)
第172条の8 重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けている大量保有・変更報告書等(大量保有・変更報告書又は第27条の25第4項(第27条の26第6項において準用する場合を含む。)若しくは第27条の29第1項において準用する第9条第1項若しくは第10条第1項の規定による訂正報告書をいう。以下この章において同じ。)を提出した者があるときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、その者に対し、第1号に掲げる額に第2号に掲げる数を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
1.当該大量保有・変更報告書等に係る株券等の発行者が発行する株券又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める有価証券の当該大量保有・変更報告書等が提出された日の翌日における第67条の19又は第130条に規定する最終の価格に、当該翌日における当該発行者の発行済株式の総数又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める数を乗じて得た額(当該価格がないときは、これに相当するものとして内閣府令で定めるところにより算出した額)
2.10万分の1
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