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インサイダー取引規制その15(重要事実/発生事実)

8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその3)

(2)発生事実(166条2項2号)

当該上場会社等に166条2項2号に掲げる事実が発生したこと

が重要事実となります。

個々の発生事実は、以下のとおりです。金商法166条2項2号の列挙事由と、金融商品取引法施行令28条の2に規定されています。また、軽微基準については、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令50条に規定されています。引用のかたちになっている部分が軽微基準です。

イ 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害
【災害若しくは業務に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害の額が最近事業年度の末日における純資産額の3%未満であると見込まれること。】

「見込まれる」の意義については、客観的、合理的に予測されることをいうと解されています。

ロ 主要株主の異動
【なし】

株主名簿上の書換えの有無は問わず、譲渡の効力が生じたときに発生すると考えられています。

ハ 特定有価証券又は特定有価証券に係るオプションの上場の廃止又は登録の取消しの原因となる事実
【法第2条第1項第5号に掲げる有価証券又は優先株に係る上場の廃止又は登録の取消しの原因となる事実(優先株以外の株券及び優先出資証券の上場廃止の原因となる事実を除く。)が生じたこと。】

上場廃止基準については以下をご参照下さい。

東証1部・2部:
http://www.tse.or.jp/rules/listing/stdelisting.html
東証マザーズ:
http://www.tse.or.jp/rules/listing/stdelisting_mo.html
大証1部・2部:
http://www.ose.or.jp/stocks/doc_kahk/kahk01.pdf
大証ヘラクレス:
http://www.ose.or.jp/stocks/doc_kahk/kahk01.pdf
ジャスダック:
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_25.jsp
http://www.jasdaq.co.jp/data/01_0605_210105.pdf
NEO:
http://www.jasdaq.co.jp/list/list_neo6.jsp
名証・セントレックス:
http://www.nse.or.jp/j/img/kisoku/teikan/11.pdf
札証・アンビシャス:
http://www.sse.or.jp/pdf/about_amb.pdf
(参考)TOKYO AIM各種規定案:
http://www.tokyo-aim.com/market.html

ニ イからハまでに掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実(金融商品取引法施行令28条の2)

1.財産権上の請求に係る訴えが提起されたこと又は当該訴えについて判決があつたこと若しくは当該訴えに係る訴訟の全部若しくは一部が裁判によらずに完結したこと
判決等がなされたことだけではなく、訴えの提起があったこと自体が、投資者の投資判断に影響を及ぼすと考えられることから、その時点でも重要事実となります。訴えの種類は問わず、給付の訴えのみならず、確認の訴えや形成の訴えも含むと解されています。インサイダー取引の未然防止の観点からは、会社関連の訴えは、広くこれに該当するものとして扱うのが妥当です。判決については、終局判決(第一審、控訴審、上告審を問わない)だけではなく、中間判決(民事訴訟法243条)も含まれます。訴訟物の価額(訴額)の算定基準については、以下を参照してください。
URL訴訟物の価額の算定基準
【イ 訴えが提起されたことにあっては、訴訟の目的の価額が最近事業年度の末日における純資産額の15%未満であり、かつ、当該請求が当該訴えの提起後直ちに訴えのとおり認められて敗訴したとした場合、当該訴えの提起された日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該敗訴による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】
【ロ 訴えについて判決があったこと又は訴えに係る訴訟の全部若しくは一部が裁判によらずに完結したこと(「判決等」)にあっては、イに掲げる基準に該当する訴えの提起に係る判決等の場合又はイに掲げる基準に該当しない訴えの提起に係る訴訟の一部が裁判によらずに完結した場合であって、当該判決等により会社(協同組織金融機関を含む。)の給付する財産の額が最近事業年度の末日における純資産額の3%未満であると見込まれ、かつ、当該判決等の日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該判決等による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】

2.事業の差止めその他これに準ずる処分を求める仮処分命令の申立てがなされたこと又は当該申立てについて裁判があつたこと若しくは当該申立てに係る手続の全部若しくは一部が裁判によらずに完結したこと
【イ 仮処分命令の申立てがなされたことにあっては、当該仮処分命令が当該申立て後直ちに申立てのとおり発せられたとした場合、当該申立ての日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該仮処分命令による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】
【ロ 仮処分命令の申立てについての裁判があったこと又は当該申立てに係る手続の全部若しくは一部が裁判によらずに完結したこと(「裁判等」)にあっては、当該裁判等の日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該裁判等による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】

3.免許の取消し、事業の停止その他これらに準ずる行政庁による法令に基づく処分
【法令に基づく処分を受けた日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該処分による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】

4.親会社(法第166条第5項に規定する親会社をいう。)の異動
【なし】

5.債権者その他の当該上場会社等以外の者による破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は企業担保権の実行の申立て又は通告
【なし】

6.手形若しくは小切手の不渡り(支払資金の不足を事由とするものに限る。)又は手形交換所による取引停止処分
【なし】

7.親会社に係る破産手続開始の申立て等
【なし】

8.債務者又は保証債務に係る主たる債務者について不渡り等、破産手続開始の申立て等その他これらに準ずる事実が生じたことにより、当該債務者に対する売掛金、貸付金その他の債権又は当該保証債務を履行した場合における当該主たる債務者に対する求償権について債務の不履行のおそれが生じたこと
「その他これに準ずる事実」としては、任意整理等がこれに該当すると解されています。
【売掛金、貸付金その他の債権又は求償権について債務の不履行のおそれのある額が最近事業年度の末日における純資産額の3%未満であると見込まれること。】

9.主要取引先(前事業年度における売上高又は仕入高が売上高の総額又は仕入高の総額の10%以上である取引先)との取引の停止
【主要取引先との取引の停止の日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該取引の停止による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】

10.債権者による債務の免除又は第三者による債務の引受け若しくは弁済
【債務の免除の額又は債務の引受け若しくは弁済の額が最近事業年度の末日における債務の総額の10%未満であること。】

11.資源の発見
【発見された資源の採掘又は採取を開始する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該資源を利用する事業による売上高の増加額が最近事業年度の売上高の10%未満であると見込まれること。】

12.特定有価証券又は特定有価証券に係るオプションの取扱有価証券としての指定の取消しの原因となる事実
【優先株に係る取扱有価証券としての指定(認可金融商品取引業協会がその規則により有価証券を取扱有価証券とすることをいう。)の取消しの原因となる事実(優先株以外の株券の取扱有価証券としての指定の取消しの原因となる事実を除く。)が生じたこと。】

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