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インサイダー取引規制その14(重要事実/決定事実)

8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその2)

(E)個々の決定事実(166条2項1号)(続き)

ヨ 業務上の提携その他のイからカまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項

政令で定める事項については、金融商品取引法施行令28条(1号から11号まで)に定められています。前回同様、引用のかたちになっている部分が軽微基準です。

1.業務上の提携又は業務上の提携の解消

業務上の提携は、他の企業と協力して一定の業務を遂行する場合を広く含み、業務内容や提携の方式については、特に限定はなく、提携相手も法人に限らず個人も含み、また、外国の法人や個人も含まれます。ただし、資本提携のみの場合(株式の持合など)や人的な提携のみの場合(役員の派遣など)は含まれません。
業務上の提携
【当該業務上の提携の予定日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該業務上の提携による売上高の増加額が最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれ、かつ、次の(1)から(3)までに掲げる場合においては、当該(1)から(3)までに定めるものに該当すること。
(1) 業務上の提携により相手方の会社の株式又は持分を新たに取得する場合:
新たに取得する当該相手方の会社の株式又は持分の取得価額が会社の最近事業年度の末日における純資産額と資本金の額とのいずれか少なくない金額の100分の10に相当する額未満であると見込まれること。
(2) 業務上の提携により相手方に株式を新たに取得される場合:
新たに当該相手方に取得される株式の数が会社の最近事業年度の末日における発行済株式の総数の100分の5以下であると見込まれること。
(3) 業務上の提携により他の会社と共同して新会社を設立する場合(当該新会社の設立が子会社の設立に該当する場合を除く。):
新会社の設立の予定日から3年以内に開始する当該新会社の各事業年度の末日における総資産の帳簿価額に新会社設立時の出資比率を乗じて得たものがいずれも会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれ、かつ、当該新会社の当該各事業年度における売上高に出資比率を乗じて得たものがいずれも会社の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれること。】

業務上の提携の解消を行う場合
【当該業務上の提携の解消の予定日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該業務上の提携の解消による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれ、かつ、次の(1)から(3)までに掲げる場合においては、当該(1)から(3)までに定めるものに該当すること。
(1) 業務上の提携により相手方の会社の株式又は持分を取得している場合:
取得している当該相手方の会社の株式又は持分の帳簿価額が会社の最近事業年度の末日における純資産額と資本金の額とのいずれか少なくない金額の100分の10に相当する額未満であること。
(2) 業務上の提携により相手方に株式を取得されている場合:
当該相手方に取得されている株式の数が会社の最近事業年度の末日における発行済株式(発行済優先出資を含む。)の総数の100分の5以下であること。
(3) 業務上の提携により他の会社と共同して新会社を設立している場合:
新会社の最近事業年度の末日における当該新会社の総資産の帳簿価額に出資比率を乗じて得たものが会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であり、かつ、当該新会社の最近事業年度の売上高に出資比率を乗じて得たものが会社の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であること。】

2.子会社(法第166条第5項に規定する子会社)の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得
連動子会社以外の子会社で以下の場合(連動子会社については軽微基準はなし)
【イ 子会社又は新たに子会社となる会社の最近事業年度の末日における総資産の帳簿価額が会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であり、かつ、当該子会社又は新たに子会社となる会社の最近事業年度の売上高が会社の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満である子会社
ロ 新たに設立する子会社の設立の予定日から3年以内に開始する当該子会社の各事業年度の末日における総資産の帳簿価額がいずれも会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれ、かつ、当該各事業年度における売上高がいずれも会社の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれる子会社】

連動子会社(令第29条第8号に規定する特定の子会社)は、金融商品取引法第163条第1項に規定する上場会社等が発行する株式であって、その剰余金の配当が特定の子会社の剰余金の配当に基づき決定される旨が当該上場会社等の定款で定められた株式についての当該特定の子会社とされています。

3.固定資産(法人税法第2条第22号に掲げる固定資産)の譲渡又は取得

固定資産は、法人税法2条22号に掲げる固定資産をいいますが、同号の固定資産は、土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産で政令で定めるものをいいます。政令としては法人税法施行令12条に、たな卸資産、有価証券および繰延資産以外の資産のうち、‥效蓮↓同施行令13条に掲げる減価償却資産、E渡嘆弾権、き,らに準じるものを固定資産としています。

譲渡については、会社分割などの包括承継は含まれないと解されています。また、取得は、承継取得のほか、新たな固定資産の制作等による原始取得も含むと解されています。いずれも、海外で譲渡・取得する場合も含まれます。
譲渡する場合
【会社の最近事業年度の末日における当該固定資産の帳簿価額が同日における純資産額の100分の30未満であること。】
取得する場合
【当該固定資産の取得価額が会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。】

4.事業の全部又は一部の休止又は廃止

事業の全部又は一部の休止と廃止は、将来的に再開する意思があるか否か(一時的か否か)により区別されますが、いずも重要事実となります。
【事業の全部又は一部の休止又は廃止の予定日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該休止又は廃止による売上高の減少額が最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれること。】

5.金融商品取引所に対する株券(優先出資証券を含む。)の上場の廃止に係る申請
【なし】

6.認可金融商品取引業協会に対する株券の登録の取消しに係る申請
【なし】

7.認可金融商品取引業協会に対する取扱有価証券である株券の取扱有価証券としての指定(証券業協会がその規則により有価証券を取扱有価証券とすることをいう。)の取消しに係る申請
【なし】

8.破産手続開始、再生手続開始又は更生手続開始の申立て

決定事実とされているのは、上場会社等が自ら破産手続開始等を申立てについてであり、債権者等による申立ては、発生事実となります(金融商品取引法施行令28条の2第5号)。
【なし】

9.新たな事業の開始(新商品の販売又は新たな役務の提供の企業化を含む)
【新たな事業の開始(新商品の販売又は新たな役務の提供の企業化を含む。)の予定日の属する事業年度開始の日から3年以内に開始する各事業年度においていずれも当該新たな事業の開始による売上高の増加額が最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれ、かつ、当該新たな事業の開始のために特別に支出する額の合計額が最近事業年度の末日における固定資産の帳簿価額の100分の10に相当する額未満であると見込まれること。】

10.防戦買いの要請(法第166条第6項第4号又は第167条第5項第5号に規定する要請)

防戦買いの要請についての決定は、決定事実の1つですので、その決定については取締役会決議がなされている必要はありません。インサイダー取引規制の適用除外の1つとして規定されている防戦買い(166条6項4号、167条5項5号)については、取締役会が決定した要請に基づくもののみが適用除外となりますが、ここで重要事実とされている防戦買いの要請の決定は、他の決定事実と同様に、取締役会決議がなくとも、社長や常務会などの実質的に会社の意思を決定する機関が決定していれば足りることになります。
【なし】

11.預金保険法第74条第5項の規定による申出

金融機関特有の重要事実です。
【なし】

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