blog/igi.jp

legal thinking in a divided/connected world
<< February 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 >>
<< インサイダー取引規制その2(刑事罰) | main | 大量保有報告制度その1 >>

インサイダー取引規制その3(刑事罰)

4.インサイダー取引規制違反の効果その3 刑事罰その2(没収・追徴)

(3)没収・追徴
(A)インサイダー取引によって得た財産と、(B)インサイダー取引によって得た財産の対価として得た財産、インサイダー取引によって得た財産がオプションその他の権利であるときはその権利の行使により得た財産は、没収されることになります(金商法198条の2第1項)。また、没収をすることができないときは、その価額を追徴することになります(同条2項)。

これはいわゆる必要的没収・追徴の規定であり、平成10年の改正で、インサイダー取引によって取得した財産を没収・追徴することでインサイダー取引を防止すべく、新たに設けられたものです。それ以前は、任意的没収・追徴の規定(刑法19条、19条の2)によって、裁判所の裁量により没収・追徴するか否かが決められていました。

上記の規定の存在により、上記の財産はすべて没収・追徴されることになります。但し、その取得の状況、損害賠償の履行の状況その他の事情に照らし、当該財産の全部又は一部を没収することが相当でないときは、これを没収しないことができるものとされています(金商法198条の2ただし書)。

(関連条文)

金融商品取引法
第198条の2 次に掲げる財産は、没収する。ただし、その取得の状況、損害賠償の履行の状況その他の事情に照らし、当該財産の全部又は一部を没収することが相当でないときは、これを没収しないことができる。
1.第197条第1項第5号若しくは第2項又は第197条の2第13号の罪の犯罪行為により得た財産
2.前号に掲げる財産の対価として得た財産又は同号に掲げる財産がオプションその他の権利である場合における当該権利の行使により得た財産
2 前項の規定により財産を没収すべき場合において、これを没収することができないときは、その価額を犯人から追徴する。

刑法
(没収)
第19条 次に掲げる物は、没収することができる。
1.犯罪行為を組成した物
2.犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
3.犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
4.前号に掲げる物の対価として得た物
2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。

(追徴)
第19条の2 前条第1項第3号又は第4号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。


URLhttp://igi.jp/counsel.html

【関連記事】
インサイダー取引規制その1
インサイダー取引規制その2
インサイダー取引規制その3
インサイダー取引規制その4
インサイダー取引規制その5
インサイダー取引規制その6
インサイダー取引規制その7
インサイダー取引規制その8
インサイダー取引規制その9
インサイダー取引規制その10
インサイダー取引規制その11
インサイダー取引規制 | permalink | comments(0) | trackbacks(19) | - | -

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.igi.jp/trackback/802185
この記事に対するトラックバック
5.インサイダー取引規制違反による民事責任 インサイダー取引規制違反の民事責任については、金融商品取引法上、特別の規定は設けられていません。インサイダー取引規制導入時の証券取引審議会の「内部者取引の規制のあり方について」(昭和63年2月24日)で、
インサイダー取引規制その4 | blog/igi.jp | 2009/02/17 4:21 PM
5.インサイダー取引規制違反の効果その4 民事責任(続き) (C)上場会社等に対する責任 上場会社等に対する責任については、役員、従業員、従業員、代理人、契約締結者、株主、法令に基づく権限を有する者、情報受領者など、行為者の属性に応じて考える必要
インサイダー取引その5 | blog/igi.jp | 2009/02/18 8:52 PM
6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金 課徴金制度は、 証券市場への信頼を害する違法行為又は公認会計士・監査法人による虚偽証明)に対して、行政として適切な対応を行う観点から、規制の実効性確保のための新たな手段として、平成17年4月(公認会計
インサイダー取引規制その6 | blog/igi.jp | 2009/02/19 6:13 PM
6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金(続き) (2)課徴金の額の算出方法 課徴金の額は、違反類型ごとに一般的・抽象的に想定される経済的利益相当額として法定された算出方法に従い算出されます。違反者が実際に得た利益額そのものがいくらである
インサイダー取引規制その7 | blog/igi.jp | 2009/02/20 2:12 PM
6.インサイダー取引規制違反の効果その5 課徴金(続きその2) (3)インサイダー取引規制違反の課徴金事例 証券取引等監視委員会事務局は、平成20年6月に「金融商品取引法における課徴金事例集」を公表していますが、事例集に掲載されているもののうち、
インサイダー取引規制その8 | blog/igi.jp | 2009/02/20 4:49 PM
インサイダー取引規制は、会社関係者等のインサイダー取引規制と、公開買付者等関係者のインサイダー取引規制にわかれます。まず会社関係者等のインサイダー取引規制の要件から解説します。 7.会社関係者等インサイダー取引規制の要件その1 会社関係者等 会社
インサイダー取引規制その9 | blog/igi.jp | 2009/02/23 5:47 PM
7.会社関係者等インサイダー取引規制の要件その1 会社関係者等(続き) (B)会計帳簿閲覧等請求権を有する株主等【当該権利の行使に関し知つたとき】(166条1項2号) 会計帳簿閲覧等請求権を有する株主等は (a)当該上場会社等の会社法433条1項
インサイダー取引規制その10 | blog/igi.jp | 2009/02/24 2:42 PM
7.会社関係者等インサイダー取引規制の要件その1 会社関係者等(続きその2) (2)元会社関係者(166条1項後段) 当該上場会社等に係る業務等に関する重要事実を166条1項各号に定めるところにより知った会社関係者であって、当該各号に掲げる会社関
インサイダー取引規制その11 | blog/igi.jp | 2009/02/25 1:55 AM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続き) (E)個々の決定事実(166条2項1号) 個々の決定事実は、以下のとおりです。金商法166条2項1号の列挙事由と、金融商品取引法施行令28条に規定されています。また、軽微基準に
インサイダー取引規制その13 | blog/igi.jp | 2009/03/03 7:33 PM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその2) (E)個々の決定事実(166条2項1号)(続き) ヨ 業務上の提携その他のイからカまでに掲げる事項に準ずる事項として政令で定める事項 政令で定める事項については、金融商
インサイダー取引規制その14 | blog/igi.jp | 2009/03/05 9:59 PM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実 会社関係者等のインサイダー取引規制における業務等に関する重要事実とは、金商法166条2項各号に定められた事実で、当該会社と子会社について、それぞれ以下の4種類の事実(合計8種類)が規定さ
インサイダー取引規制その12 | blog/igi.jp | 2009/03/06 11:58 AM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその3) (2)発生事実(166条2項2号) 当該上場会社等に166条2項2号に掲げる事実が発生したこと が重要事実となります。 個々の発生事実は、以下のとおりです。金商法16
インサイダー取引規制その15 | blog/igi.jp | 2009/03/25 4:50 PM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその4) (3)決算情報(166条2項3号) 当該上場会社等の売上高、経常利益若しくは純利益(以下この条において「売上高等」という。)若しくは第1号トに規定する配当又は当該上場会社
インサイダー取引規制その16 | blog/igi.jp | 2009/04/06 5:58 PM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその5) (4)バスケット条項(166条2項4号) 前3号に掲げる事実を除き、当該上場会社等の運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの
インサイダー取引規制その17 | blog/igi.jp | 2009/04/07 4:28 PM
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその6) (5)子会社の決定事実(166条2項5号) 重要事実となるのは 当該上場会社等の子会社の業務執行を決定する機関が当該子会社について次に掲げる事項を行うことについての決定
8.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その2 重要事実(続きその7) (6)子会社の発生事実(166条6号) 当該上場会社等の子会社に次に掲げる事実が発生したこと が重要事実となります。 軽微基準は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令
3−3−6−3 子会社の決算情報(7号) 当該上場会社等の子会社(第2条第1項第5号、第7号又は第9号に掲げる有価証券で金融商品取引所に上場されているものの発行者その他の内閣府令で定めるものに限る。)の売上高等について、公表がされた直近の予想値(当
9.会社関係者等のインサイダー取引規制の要件その3 「公表」 3−4 重要事実の公表 3−4−1 「公表」の意義  インサイダー取引規制は、重要事実が「公表」される前に特定有価証券等の売買等を行うことを禁止するものであり、「公表」後の売買等は禁
FXを取引を行うためのお得な情報満載で貴方に適切な口座開設先が見つかります。
FX口座開設比較 | FX口座開設比較 | 2010/03/09 9:24 AM